ポール星人のサイクリング日記

趣味で自転車を楽しむ鷹組ポール星人です。 寒さに強く、暑さに弱い。

シマノ鈴鹿チームTT 落車

いい思い出ではありませんが、記録しておきます。

夜、あまり寝られず。
このレースで一旦終わりか…
と思うと色々考えてしまい、一度起きてから寝付けなくなった。
カナンから観戦券を譲ってもらう約束をしていて、早めに会場入り。
食べ物、飲み物の量や摂取タイミングに気をつけながら、色々と準備。
7時、カナンから券を受け取り、マスターズの観戦へ。
鷹組からはたくさんのメンバーが参加。
人数も多く、怪獣名が把握できておらず、すみません…
一部抜粋です。
40代ではドラコさんがスプリント賞狙いで大暴れ!
調子が良さそう。
しかし、同点で最後の着順に負けてしまい、2位。勝ったと思い込んでいたそうだ。惜しかった…
バニラさんはゴールラインで2位!
表彰台でした。TTもロードも強いですね。
50代では、やはりゼットンさんが強かった。自転車に乗る姿がかっこいい!


そのあと、サンコーさんのホイールを受け取りに行き、取り付け、調整。リム高80mm。
ゼッケンやセンサー、着替え、補給などやっているうちに9時半。
ホイールの感覚を掴むため、公道実走練習へ。カナンが付いてきたいと言うので、後ろについてきてもらった。
ホイールはそこまでクセはなく、扱いやすいが、最初は少しハンドルが振られた。
機材は問題なし。
ただ、暑い!
これには参った。掛ける用の水も持っていたが、それでも暑い。
かなり厳しい。
調子も良くない。
誤魔化しながら繋いでいく役割になるかな。

大量に汗をかき、水分補給。朝からこまめに飲み続けていたため、脱水の心配はそれほどないだろう。
体質的に尋常ではない量の汗をかくため、暑いレースは苦手。
普段から、練習後に自転車を降りると足元に水溜りが出来そうなくらい汗が落ちる。

召集時間が近づき、ヘルメットカバーやシューズカバーを装備して召集場所に並ぶ。
昨日の個人TT2位の和田山さんが応援に来てくれた。
昨年のAACA以来の再会。
そしてもんじくん(ピーター)も大阪から応援に駆けつけてくれた。
久しぶり!
時間が経ち、スタート時間が迫る。並んでいる間中、少しずつ水分補給し、首筋に水を少しずつかけ続けた。
脱水と熱中症には細心の注意を払う。

そして、いよいよスタート!
ブルーさん先頭で、ワッキーさん、ポール、ドラコさんと並び、加速していく。
余裕のあるペース。
いけそうな気がしてきた。
シケインワッキーさん、立ち上がりですぐ自分に交代。
ここから下り基調。飛ばしすぎないよう、ほどほどのペースで下りの斜度が上がる手前まで引く。
ドラコさんに交代して、すぐブルーさん。
下りが速い!
その惰性で登りが実質的に短くなる。
自分はというと…
すでに暑さでつらい。
本当に申し訳ないけど、今回のレースは邪魔をしないように無難な立ち回りをすることに決める。
スプーン越えてからはワッキーさん。
1周目から長く引いてもらう。もうワッキーさんに助けてもらうしか道がない。そのあと、交代して苦手なヘアピンで自分先頭。ゆっくり曲がる。
ここでロスしてしまった。やっぱり苦手。
加速して下りへ。勢いでデグナー。
チームTTのはずなのになぜか前方に集団が形成されており、叫びながらなんとか右端を抜ける。
ダンロップからのS字下りはやはりブルーさん。速い!
間を空けないよう、確実についていく。
第1コーナー抜けてワッキーさんへ。
良いペースで登る。1周目は7分35秒で暫定トップ!
中腹で交代。しかし、調子が良くないこともあって余裕がなく、唯一の指標である速度を確認していなかった。
しばらく引くと、後ろから何か言われて、何かわからなくて気になっているうちに速度を落としてしまい、気がついたらドラコさんが前に出てきた。
もっと速度上げろってことだった。
どちらにしても自分は限界だったな…
ドラコさんに余裕があるならもっと早く交代しとけばよかった。
そのあと、再び裏ストレートで引く。
同じように下りの斜度が上がるところで交代してブルーさんが下る。
スプーン後のローテでは短く引いてすぐ交代し、ブルーさん先頭でヘアピンを抜ける。
デグナー〜ダンロップでローテ1周してS字はもう1回ブルーさん。
やはり速い!しかし、下りはちゃんとついていれば後ろは楽。
このままなら優勝できるかも?
と思いつつ、もしここで複数落車起きたら終わりだな…
という考えも浮かんだ。
暑さで頭がボーッとする。
そしてS字の最後のコーナーで先頭のブルーさんが曲がった時、2番手のワッキーさんがブルーさんの後輪に接触してしまい、落車。
自分の目の前の路面をワッキーさんが滑るのがはっきりと見える。一瞬の時間が引き延ばされる。様々な思考がすごい速度で巡る。
しかし、確実に60km/h超えており、どうやってもワッキーさんを踏んでしまう状態。
なんてことだ!
しかし、自分が落車しなければ3人でゴールして表彰台には乗れる!
何とか堪えられないかと考えるもワッキーさんの身体に前輪が乗り上げた瞬間吹き飛ばされて、そのままコース外の土までバイクと共に飛んで行った。
速すぎて自分の体がどうなっているかもわからないまま土に体を打ち付けた。
その時、側頭部を強打してヘルメットが割れていたようだ。
しかし、リアルタイムではどこを打ったかも全く分からず、本能的に外れたチェーンをつけ直す。
しかし、両手の指が痛くて思うように動かせず、チェーンがはまらない。
その上、自分がどういう状況に置かれているのか分かっていなかった。
練習中に落車したような気分だった。
とにかく、ただ本能でチェーンを直していた。
5回以上やり直して、やっと直った。
その頃にはレース中に落車したことを思い出していて、やや心に絶望感が広がりつつあった。掴みかけた優勝が、こぼれてしまった。
気がついたら横に救急車?が来ていて、走れますか?と声をかけられる。
チームメンバーは誰もいない。自分が踏んでしまったワッキーさんはあれから立ち上がって走り出したのか!
大怪我ではないのだな。
とりあえず、「大丈夫です!」と言って自転車に乗る。膝の擦過傷が目に入った。
一人で下りきり、第1コーナーへ。
このあたりで、前方に走っていたチームを抜かす。
そのままホームストレートへ。数分休んだからか、脚はよく回る。
もはや意味はないのに。
4人目に何の価値もないのに、ただ速く走ってゴールしたい気持ちで、応援してくれた人に惨めな走りを見せたくない気持ちで、足を回す。メーターが39km/hまで上がる。まだいけたじゃないか、自分。
暑さで頭がやられると、精神的な限界値が大幅に引き下げられてしまうようだ。チェーンを直している間に少し冷静になったからか。
ゴールラインを越えてもしばらく踏み続け、救護所前へ。
鷹組のみなさんに心配される。
自分だけ帰ってこないんだからそりゃそうだよな。
ここで、「終わった…」という絶望感がはっきりと広がっていった。
とりあえず、救護所でシャワーを浴び、土を落として簡易的な手当てをしてもらった。
ここでヘルメットをチェックされ、頭を打ったことを知る。
病院で検査することが確定。
顔にも擦過傷があった。
どんな転け方したんだ?
ドラコさんも救護所にいた。
両腕、背中まで擦過傷で、ガーゼだらけになっていた。後ろのドラコさんも巻き込まれていたのか。
先頭だったブルーさんは唯一無傷。
ブルーさんには謝るしかない。
今回のレースでは、全く役に立てなかった。せっかくチームに誘っていただいたのに…

歩いてチームオフィスへ。
ここでも心配される。
水分補給して涼み、落ち着いてから、ホイールを返しにシケインターミネーターピットまで。
そこで堂脇さんに会う。
大きな怪我はなさそうで安心。
またリベンジしたい、という話をしながら、お互い泣きそうになる。
こらえる。

再び鷹組チームオフィスに戻り、荷物を持って(応援に来ていた家族に持ってもらって)帰宅。
すぐ病院へ。
検査の結果、脳の異常は見られなかった。
怪我は、両手指の突き指(左3本、右2本)、右膝、右腕、顔面の擦過傷、首に若干の違和感。
骨折がなくてよかった。そのうち治るやろ。


感想、反省編へ続く